大丈夫、あなたの仕事じゃないのよ。
日本で働いていた時、職場は家族だなんて言われることが多かった。
サポート役やサブリーダーを女房役、だなんて表現する上司が未だにいる時代。
こちらだと、職場はチームと言われる。
それぞれの役割をきちんとこなす。それだけ。
日本で働いていた時、何か不備があると、当然のようにお客様へ謝ってました。
至って普通というか当然というか当たり前で、もし謝らなかったら…
を考えると恐ろしいです。
こちらだと、例えば電気が点かない・故障した時、それは我々の責任でなくて、メンテナンス部門や電気屋さんの責任なのだ。
そんなもんだから、「ごめんなさい、今故障してて…m(_ _)m」とお客様に謝ると、
お客様は「謝らなくて良いのよ、だってこれはあなたの仕事じゃないから」と。
クレーマーな自分だったら、
「お前らの店だろ、なんとかしろよ!!」
「客をなんだと思ってんだ!!」
「二度と来るか…金返せー!!」
と、大声出して喚きたくなるような状況だけど、お客様は至って普通でした。
レストランで働いていて、出来たものを運びサーブする。もしも、その料理が冷めていたら、サーブする人間の責任というより、キッチン・調理場のメンバーのスピードの遅さが原因なので、作り直しをして終了なのだ。
お客様も作り直しをお気に召して頂ければ、それ以上何も言わない。
本当に何も言わずに、他の食事やサービスが気に入れば笑顔で帰ってゆく。
仕事の範囲が担当する人の責任毎に、本当に明確にキチンと別れている。
なので、親切心の15分の手伝い残業ですら…
「こいつだけ、就業時間が長くなるから、金を手に入れるじゃないか!!」
「なぜ、俺上がりでこいつが働くんだ!!」
となる。
仕事の範囲と同時に時間の範囲もキッチリしていて、上がりは上がりなのだ。
単なる親切心や気遣いが、実は大きく邪魔になったりするのだ。
チームであって家族じゃない、だから職場の飲み会に行かなくったって全く問題ない。
付き合い悪い、とんでもない。
仕事が出来ればそれでいい。
だから、自分の意見を言う時はどんな時でも言う。お客様の前でもガッシガッシに言うので、怖いくらいだ。
思い出したのは朝の通勤時間の駅や車内…
なんらかが原因で電車が遅れた時、駅員さん達が必死になって謝っている。
しかも、朝の件を終電まで…。
なんなら、翌日にも…聞いたりする。
その上で、見かける怒鳴り散らし・群れになって向かってくる人たち。
普段、溜まりに溜まった怒りの矛先をここぞとばかりに向けてくる。
もし、その向かっている人たち全員が、
「大丈夫駅員さん、君のせいじゃー無いよ。」なんて、言う日が来たらどうだろう。
日本はもっと、働くことが楽しく・働きやすく・暮らしやすくなるのではないだろうか。